移築とは、建物を別の場所に移設することを言います。一度解体してから運び、復元させる方法と、そのままの状態で移動させる方法があります。
最近では、古民家を再利用する移築がブームとなっているせいか、移築と言うと、古民家や歴史的な建造物を移動して保存することかと思われがちですが、移築の活用方法は古民家に限ったことではありません。以下のように、現在お住いの愛着ある建物をわざわざ取り壊すのをためらうようなケースにも、移築の方法が一般的に用いられています。
移転しても住み慣れた家に再び住まうことができるのが、移築の大きな利点の一つです。曳家工法の場合には、住み慣れた家からの引越しの必要もありません。家財もそのままで、移動の日も通常の生活を家で送ることができます。
その他にも移築には以下のようなメリットがあります。
一度解体してから運び、復元させる方法と(解体移築)、そのままの状態で移動させる方法(曳家工法・吊り下げ工法)があります。
解体してから目的の場所に運び、復元させる方法です。朽ちたり破損した部分は同質の素材で補修します。
移築後、飛騨川温泉 しみずの湯「しみず庵」として再生されました。
建物を基礎から切り離し、コロにより建物そのものには影響させないで目的の場所に移築する方法です。
後方に曳家することで駐車スペースが広くなりました。
古民家は、飛騨高山テディベアエコビレッジとして再生されました。
建物を基礎から切り離し、建物の構造部分をクレーンなどで吊り下げて目的の場所に運び、移築する方法です。床・壁・天井・屋根などは移築後に新設することを原則とします。