可児・土田の家N邸

  • 【外観】中庭を囲み、コの字型に並んだ2棟の間隔は、冬至の太陽高度でも日陰にならない隣棟間隔を設定しています。南側の庭は、「育てる・食べる・楽しむ」ことができるエディブルガーデンとし、周囲の畑とつながり調和する景観を意図しています。
  • 【玄関】玄関を開けると、玄関ホールからつながる中庭のデッキテラスが出迎えます。外でも内でもなく、プライベートだけれど開かれた中庭空間が、この家の開放的な雰囲気を楽しげに演出しています。
  • 【玄関ホール】高い天井と大きな窓からのたっぷりの採光で、広く明るい玄関ホールとなっています。 玄関ホールから直接デッキテラスに出ることができ、パティオパーティなどの場合は、居室を通さずに来客を案内することができます。
  • 【リビングダイニング】南に面したリビングダイニングは、南庭のエディブルガーデンに接しています。四季折々の庭の景観や草花の成長を家族で楽しめる空間になっています。 ランダムに配置された照明が広いリビングのアクセントとして、やわらかなニュアンスを醸し出しています。フローリングは無垢材を使用し、自然塗料を塗っています。無垢材は合板フローリングより蓄熱効果があり、冬場の保温効果を考慮しています。
  • 【和室】リビングにつながる和室は、障子を閉め切ると落ち着いた和の空間に表情を変えます。天井いっぱいまで設えられた障子の間仕切りによって、閉め切っても室内、室外共に圧迫感なく、ぼんぼりのようなふんわりとした優しい表情のある心和む空間となっています。
  • 【キッチン】キッチンは、リビングダイニングと対面式になっています。リビングを通して南庭まで見通せ、また、中廊下の窓を通してデッキテラスが見通せるようになっており、キッチンにいて主婦の目が家全体に行き届くように配慮されています。西側の勝手口と中庭に面した中廊下の窓により、キッチンへの夏場の風の抜け道を確保してあります。
  • 【廊下(南棟)】廊下の床は、リビング、玄関ホールと同じ無垢材のフローリングで、自然塗料を塗っています。中庭からの採光も十分で、暖かみのある落ち着いた空間に仕上がっています。
  • 【離れ】「離れ」は独立したスペースとして、キッチン、バス、トイレを備えています。中庭に面して「ぬれ縁」を設え、「ぬれ縁」から中庭の石庭が楽しめるように和の情緒に配慮しています。
  • 【中庭(パティオ)】中庭は、デッキテラスと石庭部分に二分割されています。「離れ」の和室に設えた「ぬれ縁」は中庭の石庭につながり、「離れ」が孤立しないように考慮しています。 中庭があることで、家中どこにいても、四季の自然の薫りと家族の気配を感じることのできる住まいが実現できました。また、中庭から家中に自然通風がとれ、夏は涼しい風の道が確保できています。
  • 【中廊下の窓】遠くに山を望める豊かな自然の景観が風景画のように切り取られた窓は、夏場の重要な風の抜け道ともなっています。

N邸の計画地は、可児市の郊外の畑に囲まれ、遠くには山が望める自然豊かな環境にありました。敷地面積がゆったり広くとれること、また、二世帯住宅でもあることから、デッキテラスと石庭を設えた「中庭(パティオ)」を囲むコの字型の設計としました。
コの字型にしたことで、周囲とは違う身近な自然を切り取った外部空間が創出され、周囲のランドスケープと身近なランドスケープのハーモニーが楽しめる重層的な空間設計となりました。 また、中庭を囲むことで、「離れ」の独立性を保ちながらも、家中どこにいても家族の気配を感じ、つながることができる安心感のある住まいを実現しています。

建設主
延べ面積
構造・規模
竣工
撮影 XIU企画、西建築設計事務所