光井戸のある家U邸

  • 【外観1】緑のスクリーンと屋根瓦で構成されたファサードにより、前面道路からのプライバシーを確保しました。
  • 【外観2 2階、西庭】2階の寝室と子供室を前面道路から遠い奥の北側に配置し、プライバシーと騒音に配慮しています。また、西庭(サービスヤード)はテラスとともに生活機能をサポートする半外部空間になっています。
  • 【玄関】京都の町家をイメージした玄関までのアプローチは、京町家の露地に入っていくような趣きを醸し出しています。
  • 【玄関ホール】明るい玄関ホールは、ワークルーム(趣味室)につなげることでゆったりとした空間になっています。
  • 【ワークルーム】玄関ホールに続くワークルーム。楽しい趣味の部屋が来訪者を和ませます。可動式の間仕切りで必要なときは個室になります。
  • 【リビングダイニング】吹き抜けのあるリビングダイニングは、建物の中心となるダイニング上部の「光の井戸」からの採光によって明るく広々とした空間となりました。 リビングダイニングは床暖房が主暖房となっています。床下と基礎の間も断熱してあり、いわば基礎まで室内化を行ったことにより断熱効果が高まり、床暖房の熱が循環することで全体を温めるよう設計されています。
  • 【キッチン】キッチンの中央には大きな調理台が備え付けられ、大勢の来客にも対応できるようになっています。パブリックスペースとしてのリビングダイニングとプライベートスペースであるキッチンとの間が仕切られたことで、パブリックスペースへ生活感を持ち込むことなく、プライベートスペースとしての主婦の空間が確立しました。同様に、プライベートスペースである浴室や洗濯、洗面室などの水回りをキッチンの近くに集中させることで、主婦にとっては働きやすく、機能的で使い勝手の良いキッチンになりました。
  • 【和室1】床の間のある本格的な和室。床の間の壁には珪藻土が使われ、落ち着いた和の重厚感を醸し出しています。珪藻土は空気の浄化や湿度調整にも役立ちます。 和室のガラスは、美濃和紙の手漉き職人が漉いた和紙を真空ガラスで挟みました。和紙によってガラスの無機質感がなくなり、時刻、季節によって移動する光をやわらかに通して、和室にやさしい表情を加え、情緒豊かなアクセントとなっています。 手漉き和紙 (保木工房 美濃) ・和紙入りガラス(辻井硝子建材 高山)
  • 【和室2】和室西側の壁は、京唐紙を使用しています。時々刻々と変化する光を受けた唐紙が、豊かな表情を見せることを目論んでいます。また、唐紙の原料は植物繊維100%の天然素材です。 畳や珪藻土と同様、室内の空気の浄化や湿度の調整を行い、室内環境を良好に保つという効果もあります。 北側の障子は、中空ポリカネードに5mm角の木を差込し、和の繊細さを表現しています。中空ポリカネードは断熱性能にも優れ、スクリーン機能と断熱機能と意匠性を兼ね備えた才色兼備の建具となりました。 京唐紙 (丸二 京都) らいふくれよん ZERO style の家 モデルプラン エコタウン モデルハウス 完成写真集 メディア情報 住宅施工例 N邸 U邸 I邸

U邸の計画地は、南北に奥深く、南側間口となる前面道路の交通量が激しいため、騒音・粉塵やプライバシーへの配慮を要求されました。緑のスクリーンや屋根瓦で構成されたファサードの工夫、また、部屋や庭の配置への配慮などにより、遮音、プライバシーの確保を実現しました。建物の中心には、一日中採光できる「光の井戸」となるように「吹き抜け」を設けました。冷暖房に頼らずとも夏涼しく、冬暖かくなるよう、「光の井戸」からの「光の道」と「風の道」をつくり、熱と空気を循環させる「パッシブシステム」を取り入れています。
これにより、冬場は早朝の暖房立ち上げだけで、あとは暖まった空気が循環し、エネルギーの消費を抑えます。夏場はハイサイドの上部にある窓が開き暖気を外へ、風を家の中へ引き込みます。「光の井戸」が空気循環をつくりだすことによって省エネを実現した「パッシブハウス」となりました。

建設主
延べ面積
構造・規模
竣工
撮影 XIU企画、西建築設計事務所